ここのNate Purkeypile氏のキャラクタープレイスルーを和訳した物です。いかにもRPGらしい遊び方であり、面白いので転載。
著作権はBethesdaにあります。
なお、訳はお粗末なので随時修正を受け付けております。
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ひとりの男がいた。
小銃の扱いにとても長けており、そんな男の名をエドワードと言う。
エドワードはまだ小さい頃から、大人になったら誇りである父親のように、尊敬されるヒーローになることを夢見て育った。
しかしそんな彼もウェストランドの土を初めて踏んだ頃は、無闇に両足を動かしては、ただそこら中にあるものを瞳に映すだけの平凡な人間だった。
が、歩くこと、その行為だけで世のためになる、なんて話はエドワード自身も聞いたことがない。
彼の周りはひっそりと変わり始めていたようだった。
そしてある日、事件が起きた。
戦闘中にエドワードの投擲した手榴弾が付近にいた一般人を巻き込んでしまったのだ。
いつの時代も、人を殺めてしまった罪と罰の重さは変わらない。
ウェストランドにおいても、人間としてのその尊厳だけは人々の心の隙間に残っていた。
…エドワードにとってそれは、災いであっただろうか?
彼はその日から、悪の味方だと認識されるようになっていた。
悪者みたいなヒゲなんて生やしてないだろう、頼むから俺を見てくれよ。
どうして、俺は、ヒーローのはずなのに。
それから間もなくして、人々はエドワードに征伐隊を差し向けた。
硬い靴底の音、力の象徴である、金属がぶつかり擦れあう音が次第に近づいてくる。
しかし、目の前に武器の山を築き上げることにそれほど時間はいらなかった。
ヒーローとなる為に磨いてきた腕が、初めて発揮された皮肉な瞬間だった。
その結果、怒りと恐怖にかられた人々はこの忌々しい悪党を火あぶりにすべく、彼の首に多額のCapsを賭けた。
つらい日々の始まりだった。
そして彼は覚悟を決める。
俺が邪悪だって?
ふん、ならいい、いいさ、今から本当の邪悪を教えてやろうじゃないか。
奴隷商人の集まりに加わった。
ヒゲを蓄えはじめた。
窃盗をするようになった。
弾丸は、いつでも雷鳴を轟かせる準備ができていた。
罪が快楽だった。
…彼はもう、人々のヒーローにはなれなかった。
彼は殺めた"かつて人間だったもの"から奪い取った金品でどんどん富を蓄えていった。
そんな毎日が積み重なったある日、彼は、彼にとってこれ以上ない素晴らしいものを発見をする。
なんということだろう、それは、人の肉だった。
ひとり、またひとりと、鼓動の音がしなくなった人間の肉を自身の肉へと変えた。
『シュガーボム』は、いつしか食べなくなっていた。
空腹を満たす為ばかりではなく、ただ殺した相手に対する憎悪や悪意によってですら、むさぼり食ったのだった。
人々は時折、彼がヒーローなのだと勘違いする。
というのは彼がスーパーミュータントのキャンプを襲撃することがあったからだ。
彼はミュータントたちを一人残らず殺害し、囚われていた人質は彼を見るなり「あぁ、助けてくれてありがとう!」と
歓喜の声を上げる。
彼がミュータントを殺すのは、今日も美味しい食事にありつく為だとは夢にも思わずに。
いつしか彼は、彼自身のもっとも無謀な想像をもはるかに超えた大金持ちになっていた。
ウェストランドは、彼の邪悪を大いに発揮できる武器と標的に満ちあふれているから、
彼はそういった物に一銭も金を費やす必要がなかった。
町という町を破壊すれば破壊するほど、金は、今夜の食料は、どんどん増えていったのだ。
かくしてウェストランドは、彼を"エドワード・ザ・カニバル"へ変貌させてしまったツケを払うことになったのだった。
ボブの父親は泣きわめく赤ん坊のボブをあやすのによくウィスキーを与えていた。
立派な人物でもあった彼の父はボブに礼儀作法も教えたのだが、
どうしようもなく酒にだらしない男になってしまった。
それでも、手近なところに酒の無かったVaultでは大した問題にならなかった。
深刻な問題になったのはウェストランドに踏み出してからだ。
そんなある日、ボブはビールこそ救済の道であることに気がついた。
ビールを飲むほどにハンマーを振るう手に力が入る。
ということは、目に付くビール全てを飲み干し、そのたび毎に悪党どもに
正義の鉄槌をくだすよう運命づけられているのではないか。
戦闘ではボブは接近戦にのみ頼っていた。
銃を使うには要領が悪すぎたのだ。それでもどうにかこうにか難局を乗り越えてこられた。
時折、戦闘中に力が萎えるのを感じることがあったが、そんなときに備えて常にビールを携帯していた。
飲めばたちまち力が漲り、ボブは再び人々のための英雄として立ち上がることが出来るのだ。
ゆっくりとだが着実に、彼は人々の賞賛を勝ち得、身につける物も良い物がそろってきた。
それでも彼は銃を使いたがらず、あいからわず絶対的に不利な状況で戦闘を続けていた。
ある日、暖かくて申し分のない帽子を見つけ、とても喜んだ。
若くして、頭が禿げ始めていたからだ。
それがひげを生やし始めた理由でもある。
そうやって、彼がいまなお一人前の男であることを見せつけようとしたのである。
収入の大半は大量の治療薬に費やしていたため、彼は決して裕福にはなれなかった。
それでも彼は自分は正しいことをしていると確信しているのであった。
スタンレイは昔から臆病者だったわけではない。
10歳の頃、パパにRadroachを殺すよう強制された。
彼はそんなことはしたくなかったのだが、Vaultの低層に閉じこめられ、
Radroachを殺さない限り出してやらないと言われ、そうせざるを得なかった。
それ以来、彼はもう何者をも殺すまいと決心したのだった。
彼はどんなに損をしようと、酷い扱いを受けようと、決して手を挙げなかった。
険しい道だったが、最後までその姿勢を貫いた。
自由な時間は、どんな状況でも人に自分の考えを伝える方法を考え続けていた。
また、コンピューターやロックピック、スニークの習得にも精を出した。
時として言葉では解決できないこともあることを知っていたからだった。
スタンレイがウェストランドに踏み出して初めに知ったことは、そこはとんでもない連中で
満ちている、ということだった。
どこかへ行こうとするといつでも、誰かが、あるいは、何かが襲いかかってくるのだ。
理由は見当も付かなかったものの、走るのは自分の方が達者であることは分かった。
例え連中が彼を見つけ出せたところで、彼は岩山によじ登り、ひたすら走り続ければいい。
最終的に連中は諦めてしまうのだ。誰も彼ほどの持久力は持っていなかった。
そもそも、彼らの食生活は酷いもので、その出で立ちもまるで巨大な金属の塊。
とうてい長距離を走れるものではなかったのだ。
とはいえ、よく地勢を把握していないと、この戦略でしっぺ返しを喰らうこともあった。
彼は周りの人間が正気を失った超暴力志向者であっても、誰をも傷つけずに事を解決できることを確信した。
彼はあらゆる衝突を避けたが、それでも彼は有能な男には違いなかった。
彼はどんな錠でも開けることができ、どんな人間のコンピューターでもハックでき、誰でも忍び歩きでやり過ごせた。
彼はウェストランドの人々に暴力は答えではないことを知って貰いたかったのだ。
だが、誰一人として耳を貸す者はいない。
だから彼は、今日も悲しい気持ちで走り続けるのだった。
彼女は生まれて以来、周りの人間を皆臆病者だと思ってきた。
彼らは皆、銃に頼る。だが、彼女はそれは彼らの誰一人として本当の戦い方を知らないからなのだと知っていた。
彼女はウェストランドでヒーローになるには銃など必要ないと証明しようとしたが、
頭がおかしいと思われただけだった。
だから彼女は彼らが全面的に間違っているのだということを証明するためVaultを去った。
そこは厳しい世界だった。初めの頃は沢山の銃弾を身に受けた。
また、使える装備を見つけるのも大変だった。ウェストランドの人間はこよなく銃器を愛しているので、行き交う様々な行商人を頼らざるを得なかったのだ。
それにもかかわらず、彼女はたちまち成果を上げていった。
一組のスパイクナックルでだ。
彼女は抜群に機敏で、逞しく、そして鉄拳の持ち主でもあった。
彼女の殴打の嵐は何者をも、必要とあらば狂ったBrahminですら、撃破したのだった。
しばしば大怪我をすることもあったが、いつでも十二分の見返りを与えていた。
普通、拳一つで銃撃戦に突入するというのは正気の沙汰とは思われないものの、これが驚くほどうまくいく。
ミサイルランチャーも使い始めたが、それは面白半分でのことだった。
彼女には自分の拳しか必要なく、ただの一発も銃弾を撃つことがなかったので、瞬く間に裕福になっていった。
必需品のスティムパックも含めて、欲しい物なら何でも買うことが出来た。
彼女は人々のヒーローとなり、ウェストランド中の人々を助けて回った。
かくして彼女はVaultの人々に本当に必要なのは鉄拳と勇気だけであることを証明したのだった。
ポークチョップス ザ フィッシュ レディは生まれた頃からVault内で最も醜かった。
人々の中には彼女をミュータントのフリークと考える者もあったが、単にとてつもなく醜いだけだった。
彼女は人々の仕打ちに引きこもるようになり、自分の時間は全て、エネルギー系武器やピックロック、スニークを学ぶことに費やした。
彼女はその変形した頭部にもかかわらず、極めて機敏で優れた知性の持ち主だったのだ。
ウェストランドに出たての頃はとても厳しかった。ウェストランドの人間は皆、古風な銃弾ベースの武器を愛用していたからだ。彼女は自分のレアな武器の弾を購入するために、稼ぎを全てつぎ込まざるを得なかった。
周りの者は、水道設備すらないことの多いこの世界で、そんなハイテク武器を使う彼女を気が触れていると考えていた。
しかし、彼女は知っていた。いつしか、皆、彼女のエネルギーウェポンの前に塵と化すことを。それは単に時間の問題なのだと言うことを。
彼女はウェストランド中の人目に付かない場所、見落とされがちなところをくまなく探索した。
時が経つにつれ、彼女はより優れた武器を見つけ、弾もどんどんため込んでいった。
かくして彼女は出発地点をまたぎ越し、実際に金を稼ぎ始めた。
そして、稼いだ金の一部でヘアスタイルを斬新でスタイリッシュなものに変え、殺人鬼風のグラスも購入した。
彼女はもはや「むやみやたらと高価な銃を持った魚顔の変人」ではなく「ウェストランドでも最高クラスの銃を持つ、ジョーカーフェイスのサイコ」となった。
人々はポークチョップスの名を恐れ、敬うことを学んだのだった。
そう言うわけで彼女は完全に社会の除け者ではあった。しかし、彼女はすすんで邪悪になろうとしていたわけではなく、単にお金が欲しく、煩わされたくなかっただけだった。
彼女は他人を憎んでいた。他人は彼女のばかでかい口とビーズのように小さな目を嘲笑う忌まわしいものでしかなかったのだ。
子供の頃、彼女は宝物にしていた小さなテディーベアをいつも持ち歩いていたのだが、それを無くしてしまっていた。
なので、彼女はテディーベアを一つとして見逃すまいとしてきた。いつか、彼女のなくした物を見つけられることを期待していたのだ。
また、自分のアパートに持ってきた犬の剥製「キャプテンピクルス」と共に過ごす時間も愛していた。
全体として、彼女の冒険はとても実りあるものだった。
彼女の好む物は希少な物だったので厳しい冒険ではあったが
それでも、彼女はスーパーミュータントの一群を易々と撃破できるようになったのだ。
かくして彼女は最後の冒険となる伝説のRockopolisを探す旅に出る準備が整ったのである。